2024年5月8日
仕事の効率の測り方は、業種によって異なります。例えば、製造業では機械の稼働率や歩留まりを指標にすることが一般的です。これにより、効率が直接的に把握しやすくなります。しかし、人の手が介在するプロセスでは、最も効率的な方法かどうかを判断するのは難しいです。特に大きな組織になると、管理業務専用のタスクが増え、間接的な仕事も増加します。これにより、全体の効率の可視性が低下します。専門家を常に配置して運営する小規模な会社では利益を維持しやすいですが、規模が中途半端に大きくなると、間接部門や間接的な作業が増え、突然の利益減少につながることがしばしばあります。
この問題に対しては、さまざまな対応策が存在しています。
大企業では、人事部からのトップダウンで人員削減が行われることがよくあります。特に、アメリカの主要なIT企業、Amazon、Google、Microsoft、Metaなどは時折、何千人もの大規模な人員削減を行っています。最近の例としては、Elon Musk氏がX(旧Twitter)を買収し、多くの社員が解雇された事例が記憶に新しいでしょう。このような措置の主な目的は、残された限られた人員で必要な業務をこなさなければならないため、重要な業務に集中し、無駄な時間を徹底的に排除することです。この状況は、効率的な仕事の進め方を強いられるため、創造的かつ効果的な解決策を模索するきっかけにもなります。一般に、人々は慣れ親しんだ方法で作業する方が学習する必要がなく、安心感があり、労力も節約できます。したがって、外圧がなければ、新しい方法を学び、既存の方法を改める動機は生まれにくいのです。
もう一つ注目すべきアプローチとして、京セラの創業者、稲盛和夫氏が提唱するアメーバ経営があります。この経営手法では、グループ内の各部門を小さなビジネスユニットとして運営し、それぞれが内部取引を通じて自らの売上を生み出します。この方法では、局所的に最適な解を求めつつも、全体としての最適な成果を目指すことが可能です。具体的には、間接部門でも売上を確立することができ、部門ごとの採算性を具体的に測定することができます。アメーバ経営の最終的な目標は、各アメーバ(部門)の一人当たり生産性を高めることにあり、これは直接的に仕事の効率向上と結びついています。この経営方式は論理的に非常に整っていると感じられますが、日本企業が欧米企業と異なり、しばしば人員削減を行わないため、アメーバ経営が目指す理想的な効率が実際に達成されているかについては疑問が残ります。
アメーバ経営の考え方に近い方法として、会計事務所や監査法人、法律事務所などプロフェッショナルサービスファームでよく用いられるのが「タイムチャージ」の概念です。この方法では、プロフェッショナルが同時に複数のプロジェクトを担当し、一日の労働時間をどのプロジェクトにどれだけ費やしたかを明確に記録します。これにより、各プロジェクトに投じた総時間を正確に把握することができます。タイムチャージの主な目的は、顧客に対するアカウンタビリティを確保することです。たとえば、100万円の請求があった場合、その内訳を「○○弁護士が20時間を割り当て、時間単価5万円」として顧客に説明できます。タイムチャージは、プロフェッショナルが時間の価値を認識し、効率的な時間の使用を増やすか、時間単価を高めるために努力する必要があることを意味します。
一般的なサービス企業においては、仕事の効率を管理する方法が重要な課題です。特に売上と直結しない人事やマーケティングのような中間管理部門では、効率がブラックボックス化しがちです。解決策としてタスクマネジメントシステムの導入が考えられますが、世の中には様々なシステムが存在します。一番シンプルなものとしてはToDoリストがあり、より複雑なものにはタスクアサインメントシステムやプロジェクトマネジメントツールがあります。
個人的な経験から言うと、多くのシステムは使い始めは良いが、徐々に管理が複雑になり継続が難しくなることが多いです。そのため、最終的には共有カレンダーが最もシンプルで継続しやすい方法となります。GoogleカレンダーやOutlookカレンダーがその例です。これらを使うことで、一日のスケジュールが一目でわかり、事前にスケジュールの妥当性を検証することが可能です。
また、タスクを割り当てる際には、期限だけでなく標準所要時間も共有することが推奨されます。これにより、スタッフは期待される労働時間を理解し、仕事の効率を向上させる基準を持つことができます。これはスタッフの成長にも役立ちます。
結論として、仕事の効率を向上させるためには、目標を継続的に引き上げたり、人員を削減したりすることが一般的な方法です。しかし、これだけでは十分ではないと思います。効果的な管理のためには、スタッフのスケジュール管理を徹底し、タスクの時間配分や標準所要時間を細かく設定することが重要です。このアプローチはマイクロマネジメントと感じられるかもしれませんが、情報を共有し、上司と部下が対立することなく協力して時間管理を行うことは、チームとして効率的に仕事を進めるための合理的な方法です。
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国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。
人材から人財への道のり
PDCAのCについて
遠慮とは?
仕事とは?
問題提起が仕事である
モチベーションの源
「お任せ」とは
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山本五十六の限界
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マネジメントリトリート
自己対話について
ロジカルシンキングについて
ブランドアンバサダ
帰省メンタープログラム
ィリアム・ジェームズは間違っている。
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反論したがるベトナム人(その2)
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宴会部長
自己評価でお給料を決める
加点方式VS減点方式
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宣言したら、実現できない
断言したがるベトナム人
反論したがるベトナム人
人称代名詞の多いベトナム語
意図のない発言
話がやたらに長いスタッフ
日系企業には合わない
仕事をしていない上司
信頼関係の構築
質問のなさ
諦めやすい
遅延について(その②)
遅延について(その①)
社内ネガキャンへの対処
企業の行動規範
行動管理
仕事の成果とモチベーション
期待して採用を任せたら全く採用が進んでいない
チームリーダーの宣言
断らない従順な社員
早い定年を迎えたい
バイトや時短勤務希望者が多い理由
仕事暇になったから、辞めます。
中間管理職ができていない理由
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