2023年3月8日
ロジカルシンキングとは、合理的かつ論理的な思考方法や方法論のことです。ビジネスの場面において、ロジカルシンキングが非常に重要である理由は、いろいろ考えられます。ロジカルシンキングにより問題の本質や原因を明確にし、効果的な解決策を導くこと、自分の意見や提案を相手に分かりやすく伝えること、他者の意見や情報を批判的に分析し、正しい判断や選択をすることができます。ビジネスの場面における問題解決やコミュニケーションや判断力などのスキルを高めるために必要不可欠な土台と言ってよいくらいです。強い組織を作るためには、思考できるスタッフをいかに採用し、育成するかに尽きると言ってもいいほどです。
第60号ウィリアム・ジェームズは間違っている。において、レポートの様式を定義し、それに沿ってソリューションを2つ以上提案することをルール化することにより、次第に思考が鍛えられ、ロジカルシンキングのできる人材になると書きました。結果はいずれそうなりますが、簡単にはいきません。
提案を求めると以下のようなことが起きます。
①原因分析が甘過ぎる
②そのせいで、提案自体が的外れとなる
③提案と原因の間に大きな飛躍があり、理解に苦しむ
④提案が網羅的になっていない、真因を特定していない
⑤提案が宙に浮いており、具体的なアクションへ繋がらない
などなど
表面的にはレポートの様式に沿っているし、提案もちゃんとできているので、スタッフは自分はよく頑張ったし、よくできていると認識しているはずです。しかし、提案そのものは使えないので、差し戻して再提案させるか、自らソリューションを教えるか、二択しかありません。差し戻してもスタッフはどう改善したら、ボスを満足させれるか戸惑っているし、再提案されても大きく変わることはありません。仕方ないので、ソリューションを教えてしまうといつまで経っても部下の提案力が改善されません。ボスが優秀で、部下は能力が低いという世界から抜けられない。現地化が進まないのもこの理由が大きく関係するのではないかと思っています。
ここまで来たら、ロジカルシンキングのイロハを教えるしかありません。
具体的なカリキュラムは紙面関係上詳しく述べられないのですが、ロジカルシンキングを修得する過程で二つほど特徴が見えているのでそれを考察したいと思います。
その①:疑問を持つ習慣がないので、原因分析スキルが磨かれない
原因分析スキルとは、問題の根本的な原因を特定し、解決策を提案する能力のことです。このスキルは、ビジネスや学問の分野で重要な役割を果たします。しかし、原因分析スキルを磨くには、まず疑問を持つ習慣が必要です。なぜなら、疑問を持つことで、自分の知識や仮説に対して批判的に考えることができるからです。また、疑問を持つことで、様々な視点や情報源から問題にアプローチすることができるからです。したがって、疑問を持つ習慣がなければ、原因分析スキルも磨かれないと言えます。しかしながら、この段階でベトナム人スタッフはあまり周りの物事に対して疑問を持つ習慣がないことが浮き彫りになります。
その理由の根源はベトナムのような共産国家では、言論の自由は認められず、政府に批判的な意見や情報は検閲されます。そのため、国民は政府の方針や決定に従わなければならず、疑問や反対意見を持つことができません。このようにして、共産国家では従順で疑問を持たない国民が育てられます。企業内にいかに疑問を持つスキルを育てるかが大事になってきます。
ここで、一つアイデアがあります。スタッフに課題を与えます。その課題に対して、なぜそうするのか、なぜそう思うのかという質問を繰り返します。スタッフはどんどん答えますが、真因までWHYを繰り返します。しかも、1回、2回で終わるのではなく、継続的に数多くWHYを考えさせる課題を用意して、短期間に繰り返すことで超スピードで疑問スキルを持ってもらいます。この手法をWHYドリルと呼びます。
この取り組みも始まったばかりなので、うまく行くかどうかは追って、情報共有します。
その②:とにかく反対するか黙るか
ベトナム人スタッフと議論すると、反対するか、意見がない場合が多いですね。反対意見を述べることは考えているように見えますが、私から見ると、考えていないのとほぼ同じです。それは、自分が持っている知識やロジックをただ述べているだけだからです。もちろん、何も言わないよりは良いですが、それでも頭を使っているとは言えません。
私は、反対意見に対して感情的にならずに、合理的に議論することが重要だと思います。しかし、それは簡単なことではありません。感情を抑えて同意の理由を探す作業はとても頭を使います。そのためには、自分の立場や主張だけでなく、相手の視点や背景も考慮しなければなりません。また、自分の知識や経験に偏らずに、客観的な事実や証拠に基づいて話さなければなりません。これができれば、相互理解と尊重のあるコミュニケーションを築くことができると信じています。
これに対して、上記の①と同じように、反対したくなるようなトピックスを用意して、反対どころか、そのトピックスを支持する2つ以上の意見を述べさせます。これも短期間でたくさんトピックスと出会い、反対せずに新しい見方を自ら見出す練習となります。この思考法で数をこなせば、課題全体像を捉えられるようになることも実感できます。次第に考える習慣が身に付くと思っています。この手法はYESドリルと命名します。
こちらも、始まったばかりの取り組みなので、また追って、情報共有をさせて頂きます。
ドリルをたくさん解けばきっと上手になるはずです。WHYドリルとYESドリルにかなり期待しています。
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国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。
人材から人財への道のり
ブランドアンバサダ
帰省メンタープログラム
ィリアム・ジェームズは間違っている。
宴会部長(その2)
反論したがるベトナム人(その2)
アシスタントベース営業担当者
宴会部長
自己評価でお給料を決める
加点方式VS減点方式
(新たな取組)ITコムターの育成
アシスタントだらけの会社
チェック代行サービス
宣言したら、実現できない
断言したがるベトナム人
反論したがるベトナム人
人称代名詞の多いベトナム語
意図のない発言
話がやたらに長いスタッフ
日系企業には合わない
仕事をしていない上司
信頼関係の構築
質問のなさ
諦めやすい
遅延について(その②)
遅延について(その①)
社内ネガキャンへの対処
企業の行動規範
行動管理
仕事の成果とモチベーション
期待して採用を任せたら全く採用が進んでいない
チームリーダーの宣言
断らない従順な社員
早い定年を迎えたい
バイトや時短勤務希望者が多い理由
仕事暇になったから、辞めます。
中間管理職ができていない理由
私のことを信用してくれないじゃないか?
思い込みに関して
育ってくれてありがとうございます。
転職がステップアップと勘違いしているベトナム人
関心を示してほしいベトナム人の心理について
ベトナム人の計画性のなさ。
家族と一緒にいたいので、仕事をやめます。
若いので、いろいろな経験がしたいとは?
適性診断で組織を強くする!
関心ないので、調べませんが、関心のあることは調べています。
権限がないから、誰にも指導できませんよ!
欲を抑えたがるベトナム人
謝らない、感謝しない
本を読まなくなったベトナム人若い世代
こだわりのないベトナム人
あきらめやすい
ノーと言いたがるベトナム人
責任を取るのは仕事を辞めるの?
スタッフの主体性が低いのは日本人上司の責任!
言い訳が多い病
意見は今、ありません。
節約すき、我慢好き?
ベトナム人の金銭感覚
距離を縮める魔法のツールとは?
ベトナム人スタッフはなぜ、相談しないのか?