2019年12月12日
仕事柄、数多くの転職者と面談します。転職理由に関して、よく尋ねますが、内容は実に様々です。人間関係が悪くなったからとか、通勤距離を短くしたいとか、お給料をもっと欲しいなどなどの他、仕事が暇になったので、転職したいという理由はある一定数存在します。よくよく聞いたら本人がどうしようもないような理由が多いように感じられます。例えば、マーケットシュリンクダウン、事業縮小(撤退)、半年案件待ちで仕事がないなどなどです。その中で、一通り仕事が軌道に乗った後、余裕ができ暇になったから、新しい職場に挑戦したいという管理者クラスが多いように思います。
そうやって、事業立ち上げを得意とする人たちが点々と新設企業を歩き渡ります。求職者本人は新しい挑戦を求めるため、企業側は立ち上げ経験者が欲しいわけで、双方のニーズが合致しており、よいマッチングと思いました。マーケットが伸びており、新設企業が増え続けている中では、もっとも実現できる転職とも納得できます。
面白いことに、上記のように転職志願する方々は日系企業勤務されている人が多く、非日系ではあまり聞かないように感じています。その理由は何か、を考えてみました。
まずは日本人駐在員は本社から任務を負って、現地赴任するわけですから、一所懸命になります。事業計画、報告などなどで忙しくされておられます。日本人は入社時から会社に貢献するために(自分で考えて)働くものと教わったため、暇になるのは会社に貢献していない、責務を果たしていないということになります。一方で、ベトナム人スタッフは決まった仕事を成し遂げるために雇用されるわけですから、成し遂げてしまったら、ミッションコンプリートになります。日本人はそもそも暇にならない(会社に貢献する)のは本人の責任と思っているので、本人任せにして、あまりフォローしない。一方で、ベトナムスタッフの方は本当の転職理由を言わないので、いつまでたっても本当の問題解決になりません。
一方で、非日系の多国籍企業は細かく事業運営する。責務を定期的にレビューして、どんどん要求を高くしていくわけです。マンネリにならないで、スタッフの力を最大に引き出し、会社の発展に貢献する形になります。
そうはいっても、待ち受け的で、同じ仕事をずっとやりたい人もいます。定期的に対話して、会社の要望と本人の目指す方向の調整はとても大事ということはいうまでもありません。過去の事例ですが、あるベトナム人幹部が退職したいと会社に伝えたそうです。現法社長は一所懸命引き止めたが、だめでした。結局、本社の会長が飛んできて、いろいろ語ったら、会社に残ってくれた結果になります。インパクトが違うということはもちろんありますが、会長または社長、ほか役員幹部の方が、この会社をどういう会社にしたいかというビジョンを伝えられて、その中で、ローカルスタッフがどう役立つか明確に伝えた結果、やる気でて、会社に残ったと思います。まさに、日系企業現法代表は全体的に力不足している部分ですので、もっと意識して、この部分をスキルアップされれば良いのかと思った次第です。
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国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。
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