2023年6月14日
日本語学習をしているある知り合いの女性から、日本語が上手になりたいので、いろいろアドバイス下さいと言われて、適切なアドバイスをしたく、彼女にヒアリングを行いました。まず、彼女のスキルをチェックするために、ちょっと日本語会話をしたところ、こちらの言うことは理解していて、彼女の返事は何とか理解できるレベルですが、言葉遣いが明らかに変でした。次にこちらに質問してくださいとリクエストしたところ、ほとんど質問ができませんでした。それでは、どんな学習方法をしているのか聞くと、朝早く起きて30分ぐらい単語を勉強し、寝る前に1時間ほど日本語教科書として有名な「みんなの日本語」で勉強する。時々、ヒアリング練習や解説を聞きたい時はYoutubeを見るそうです。かなり努力家というのは間違いありませんが、何か学習方法に問題がある気がしてきました。
ほぼ独学で日本語を勉強している彼女に、決定的に不足しているものは対話であること に気づきました。Youtubeを見ても、単語を覚えようとしても、どちらも一方通行的な思考であり、こちらの行動に対して何らかの反応を得るということはできません。単語や例文は覚えているかもしれませんが、考えて、アウトプットすることはとても苦手であることが分かりました。もう一歩踏み込んで質問したところ、どうもこの女性は考えることが嫌いで、何かを考えるよりはボーっとしてリラックスしていたいのです。自分自身と会話する、いわゆる自己対話はあまりしないそうです。私が日本語を学習していた時代は、四六時中日本語で自己対話したのを思い出させられたエピソードでした。自己対話の量がポイントかもしれません。
※自己対話とは(ChatGPTより)
自己対話(じこたいわ)は、一人で自分自身と対話することを指します。これは、内省や自己探求の手法として使用されることがあります。自己対話は、自己理解や問題解決、意思決定などさまざまな目的で行われます。自己対話では、自分の思考や感情、信念、価値観などを探求し、自己との内的な対話を通じて洞察やクリアリティを得ることができます。通常は口頭で行われますが、筆記やマインドマップ、内的なイメージやイメージボードを用いることもあります。
私の場合口頭でしゃべるのは恥ずかしいので、頭の中で、自分と日本語で会話をしていました。単語が少なくて、言い表せないことが多くありましたが、それでも少ない単語の中で、何とか文章を作って、会話しました。徐々に慣れてくると、会話するスピードが上がり、新しい単語もどんどん覚えてくるので、豊かな表現になっていきます。私は言語学習はそんなものと思っていましたが、上記の女性のように、そうしていない人がいること自体に驚きました。しかし、自己対話という切り口で、一般的なベトナム人若者の生活様式を見てみると、いろいろ見えてきます。
◎ほとんど一人暮らしする機会がない:若い時は家族と一緒に生活します。少し大きくなっても自分だけの部屋はほとんどなく、兄弟と相部屋になることが多いです。大学生になっても節約するために、相部屋生活をし、働きだしても相部屋を継続する子も多いように思います(少なくても弊社の女性軍はそうしています)。落ち着いて、一人で考えられないどころか、そばに必ず誰かいることに慣れきって、一人になり、考えること(自己対話)を望まなくなります。
◎バイク通勤:バイク通勤はご想像の通り、大変です。走ったり、止まったり、よけたりしないといけないので、考え事をしていると危険です。よって、通勤中に考え事をする余裕がありません。
◎読書文化の低下:日本もそうなっているようですが、ベトナムでも若者の読書離れがおきています。作者と向き合って、対話するチャンスがなくなっているわけです。
◎活字文化の低下:自分で何かをしっかりと書くチャンスは確実に減っています。インターネット時代到来前では手紙を書く度に物事を整理して、しっかりと考え、書いていました。しかし、今の時代は短い文章で早く交信するチャットアプリが溢れており、文字を起こして、自分と向き合う機会はほとんどなくなりました。
◎デジタル依存:スマートフォンやデジタルデバイスの便利さや魅力により、常にオンラインでつながっている状態が一般的になっています。デジタル依存は、自己対話の時間や集中力を奪い、注意散漫になる可能性があります。
それにしても、上記のほとんどは本人の裁量次第なので、こちらから何かを要求したり、指導したりすることは難しいはずです。変わる可能性があるとすれば、継続したコーチングにより、本人たちがどんどん自分の細部まで興味を持ち、考えるようになることしか考えられません。あるいはこの目的のためのコーチングAI(人工知能)があってもよいと思います。コーチングAIと会話して、どんどん自分自身に気づき、意識すべきことがしっかりと認識できれば、それは大きな進歩だと考えます。
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国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。
人材から人財への道のり
ロジカルシンキングについて
ブランドアンバサダ
帰省メンタープログラム
ィリアム・ジェームズは間違っている。
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反論したがるベトナム人(その2)
アシスタントベース営業担当者
宴会部長
自己評価でお給料を決める
加点方式VS減点方式
(新たな取組)ITコムターの育成
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チェック代行サービス
宣言したら、実現できない
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反論したがるベトナム人
人称代名詞の多いベトナム語
意図のない発言
話がやたらに長いスタッフ
日系企業には合わない
仕事をしていない上司
信頼関係の構築
質問のなさ
諦めやすい
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遅延について(その①)
社内ネガキャンへの対処
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期待して採用を任せたら全く採用が進んでいない
チームリーダーの宣言
断らない従順な社員
早い定年を迎えたい
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