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2018年1月17日

人材から人財への道のり
VOL 7::スタッフの主体性が低いのは日本人上司の責任!

弊社は長年日系企業向けの人材紹介をビジネスとしているため、何か非日系に対して、できないかを考えたときに、日系企業で経験を積んだ人材を非日系企業へ紹介しようと考えた。責任感高く、ホウレンソウができ、技術も抜群によいため、引手余るではないかとみた。しかし、予想を反して非日系では日系人材に対して、さほど興味を持ってくれなかった。理由を尋ねると、「日系人材はYESマンばかりでリーダーシップがないから」と言われた。悲しかったが、そうみられたんだなと改めて認識した。

一方で、日本人管理者から見ても日系人材は満足するようなリーダーシップを発揮しているわけではないそうだ。確かに日系企業において、現地人のリーダーは少ないようにみえる。そもそも、リーダー格人材がいないのか、育てられていないのか、リーダーシップを殺してしまっているのか意見が分かれるところではあるものの、日系企業ではなかなかリーダーが出てこないのは事実である。

何か原因か考えるときに、下記の3点を挙げることができる。

1. 相手ができないと諦めている

日本人上司によくある過ちは相手ができていない前提で見ている。スタッフができないだろうと考えて、手取り足取りして教える。一見やさしいように見えるが、場合によって、相手の自主的な考えを殺してしまうことになる。教えられる側は以降、自主的な考えを辞めて、日本人上司の助けを期待する。日本人上司側はスタッフはやはりできないと確信して、文句を言いながら、喜んで、助け続けている。

2. 明確な期待を示さない

採用支援させて頂いている会社では「現在いる社員で頑張っているこの中から幹部にする」というのをよく耳にする。私が知っている限りではこの方式でうまく行く例はほとんどない。そうみているうちに、有望なスタッフが転職してしまうか、望むような成長がどうやっても得られないので、いつ経っても幹部に相応しい人材が出てこない。一方で、明確に本人に幹部として、育てると示せば、転職せずに頑張るし、管理者になるための知識、スキルを身に着け、数年でもあれば、立派な管理者になる事例はたくさんある。社員の成長を待つのではなく、ポテンシャルを信じて、期待を込めて、アサイメントすることだと思う。

3. 差をつけるモノサシがない

人事評価フレームワークのない多くの日系企業は平均主義な評価をしている傾向がある。営業部隊の評価を例にして、いうと、売り上げ目標に対するコミッションがない上、ボーナスの差もあまりない。長期的にコミットする文化のないベトナムでは短期的な見返り(報酬)を求める。それだと、頑張っているスタッフは不公平と感じるので、やる気をなくして、最終的に転職してしまう。公平に評価して、できる人をしっかりと伸ばし、できない人を辞めてもらうことが活性力のある組織作りの条件ではないだろうか。

そもそも、ベトナム現法のボスである駐在員はしっかりとした管理者かというと大いに疑問。管理経験がない、本社より権限が与えられない駐在員も多い中、ベトナムスタッフに主体性やリーダーシップを求めるのはやや理不尽な気がする。

まず、駐在員自身が会社の中で、期待される存在になり、ベトナム現法のパフォーマンスが正しく評価されるようにするのが先決だと思う。そのうえ、ベトナム人スタッフに期待して、その期待を明確に示して、そして、成果を正しく評価する。そうすれば、組織も活性化し、主体的に動くスタッフが増えるはずである。

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プロフィール
Nguyen Dinh Phuc
E-mail: nguyen.dinh.phuc@hrnavi.com
Tel: 097 869 8181

国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。