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2023年5月10日

嶋村チョイス!今月のKEY PERSON

氏名:Tran Quoc Tuanさん
会社名:GREEN LEAF VIET NAM CO.,LTD.
役職:General Director

「嶋村チョイス!今月のKEY PERSON」第43回を始めます!
どうぞよろしくお願いします。それでは Tuanさん、自己紹介をどうぞ!

Tuanさん:Tuanと申します。GREEN LEAF VIET NAMでCEOを務めています。
ホーチミン出身です。二人兄弟で弟がいます。
結婚して子供が二人いますが、今は独身です。船舶の免許を持っていて、趣味は船に乗ることです。2年ほど前から自分で運転してあちこちの島に行っています。島巡りの動画をYouTubeで配信しています。
大学はホーチミン市工科大学電気電子学部に入りました。一年次の成績で、日本の文部科学省の奨学金留学生に選ばれ、日本へ留学しました。はじめに大阪外国語大学で一年間日本語を勉強してから、大阪大学へ入学し、基礎工学部のシステム情報科学科で勉強しました。帰国後、2006年にシステム開発会社を設立、2013年にGREEN LEAF VIET NAMを設立しレンタカー事業を開始しました。

(GREEN LEAF社で代表を務めるTuanさん。事業好調で成功されてます!)

Q.ご本人学歴、そこからGREEN LEAF社の設立までの背景
大阪大学へ留学中の大学4年生の時、ベトナムの事情を聴きたいと言って、大和ハウスさんが私の寮へベトナム人留学生のグループを訪ねてきました。そこで私がグループを代表して、質問に答えました。その後、大和ハウスさんの事務所へ呼ばれて、ベトナムでお店の情報が集まったサイトを作るので、よかったら子会社のマネージャーとして働かないかという提案をいただきました。
学生の時でしたが、自分でいつか会社を作りたいと思っていましたので、「では、一緒にビジネスをしませんか」と答えました。その時、これは自分の人生にとってチャンスだと思いました。

帰国後の2006年にシステム開発会社を設立しました。システム開発、建築施工図のCAD図面展開など、建設業向けの事業を行っていました。2006年から2013年までは大和ハウスさんからシステム開発や、CAD図面の依頼を受けていました。2013年に大和ハウスさんがベトナムで、ロンドゥック工業団地の開発プロジェクトを開始しました。その際、既にコネクションがあった私に対し、工業団地の開発にあたり、車を貸し出して欲しいという依頼がありました。それまでレンタカー事業の経験はなかったのですが、その依頼に応える形で2013年にGREEN LEAF VIET NAMを設立しレンタカー事業を開始しました。

事業開始時は、3~5カ月の間にレンタカー台数を1台から10台に増やしました。それから、GREEN LEAF VIET NAMのサービスの質が良いことと、価格設定も適正だったことで、ロンドゥック工業団地内の他の日系企業様からも依頼を受けるようになり、どんどんお客様が増えました。最初の5年は日系企業のお客様が95%でした。
そして、マーケティングに力を入れたことで徐々にインターネットサイトからの問合せが増え、さらには、ユニリーバさんの入札案件で60台の契約を取れたことで、知名度が一気に上がりました。大手企業からの仕事をもらえたことで、そこの繋がりから更に問い合わせが増え、スピーディーに会社を大きくすることができました。

Q.会社サービス紹介
ホーチミン以外にも、ハノイ、ダナンなどほとんどの大きな都市でサービスを提供しており、現在ではレンタカーは600台以上を保有しています。ホーチミンとハノイ、中部のクイニョンにオフィスがあり、社員は約650名です。それぞれ、ホーチミン45名、ハノイ7名、クイニョン2名、図面スタッフも入れるとオフィススタッフは合計70名ほどで、他はドライバーです。なぜ中部のダナンではなくクイニョンにオフィスを作ったかというと、ダナンは既に大きな町で競争相手も多いと思ったためです。また、クイニョンはリゾート地として開発が進んでいること、今後工業団地も増えることが見込まれることから、去年オフィスを設立しました。
事業の9割はレンタカー、その他はシステム開発と施工図の展開で3つの事業をしています。システム開発はダイワハウスさんからで、日本の法律では15年間販売した案件の契約や図面の原本とデータを保存しなくてはならないため、システムで管理、調整をハノイの事務所で行っています。図面に関しては、ホーチミンで12名くらいのチームでダイワハウスさん経由のお客様のお仕事を請け負っています。
今年の6月でちょうど設立10周年になります。

Q.会社創業してから大変だったこと、事業成長/安定するまでの道のり
会社を設立して一番初めは営業やオペレーターは自分一人でやっていましたが、ドライバーは自分ではできないので採用する必要がありましたが、優秀なドライバーを採用するのが大変で非常に苦労しました。

運転手付レンタカー事業で、最も重要なことはお客様に対してドライバーの品質をいかにコミット(担保)できるか、つまり、信頼していただけるかという事です。ですので、自社のドライバーだけで事業運営することを当初から決めていました。採用に当たっては、Face To Faceで面接を行い、性格(道徳心がある、時間が守れる、常に正しい報告ができる、等)を確認してから採用しました。英語が話せることも、日系企業がお客様のため、「必須条件」としていました。ドライバーはサービスの中心であり人財(=会社の財産)です。入社後には教育を行い、会社がしっかり管理しています。

もう一つの大変だったことは、資金面です。車を使った事業ですので、まずは車への投資が必要ですが、すぐに20台、30台と用意するのはとても大変なことでした。そこで、始めは外注で車を借りることにしました。その場合にもあくまでドライバーは自社で採用したドライバーでサービスを行いました。そこは他の会社とはやり方が異なります。今はやむなく一部だけドライバーをアウトソーシングしていますが、比率は少ないですし、今後も極力自社ドライバーですべて回るような体制を作っていきます。

事業開始からレンタカー50台までは一人で対応できました。取引先の数は10社くらいでした。その後、どんどんリクエストがあり対応しきれなくなりました。そんな時、一人の日本人から会社に連絡があり、別のレンタカー会社で働いているが、GREEN LEAFの将来性を期待して、ぜひ一緒に働きたいと言っていただきました。すぐに会ってみて、いろいろ話してみると、考えが共通していたため、では一緒に仕事しましょう、ということになりました。

GREEN LEAFに日本人が入ったことにより、実質の営業力、信用力が高くなり、会社の価値が良い方向に変わりました。そこで50台から一気に200台まで増やすことができました。また、会社が急激に成長するタイミングに突入しました。
ある日突然の電話でいいスタッフを採用できたこと、それは運命だったと言ってもいいと思います。良いめぐり合わせや偶然の出会いがあり、これまで事業を大きくしてきました。

(ベトナムにあるトヨタ販売店から招待を受けた際の写真です)

Q.現在会社として取り組まれている活動を教えていただけますか?
メインはレンタカー事業なのですが、私のもともとの専攻はITですので、社内システムには会社のコアとして投資を行っています。分析管理をデジタル化してシステムベースにしています。それがGREEN LEAF VIET NAMの強みと言えます。
弊社では、年間20万回くらい車が出入りしますが、その情報はすべてシステムに登録されています。例えば、いつ、誰が、どの車で走るのか、お客さんは誰か、等です。車の整備データもすべてシステム管理していて、部品交換の情報等がわかります。また、ドライバーの情報を登録してあり、データからそのお客さんに合うかの判断も行っています。このシステムさえあれば、どこの町でもすぐ会社を始めることができます。

Q.今後の事業計画(中長期目標)を教えてください。
ベトナムの大きな町にはオフィスと車を置き、3年後に1000台まで持っていきたいと考えています。
特にハイフォン、バクニン、ニャチャンの北のバンファンなど、工業団地が多くある場所にオフィスを置きたいです。車の台数と、会社の規模を今の倍にするのが中期的な目標です。

Q.最近の御社ビジネスでの面白い話、業界最新トピック ※この道のプロとして紹介させてください!
レンタカー事業では長期契約とスポット契約の2種類がありますが、コロナが終わってからスポットの売上がコロナ前と比べて4~5倍ほど上がりました。その理由には、コロナが終わり、旅行者が増え、ニーズが一気に上がったこと、また、企業の考え方がこれまでの長期契約ではなく、使う時に借りるという風に変わってきたことが考えられます。
また、今年は去年に比べてクライアント数が30%くらい増えました。ベトナム経済はまだ完全には良くなってはいませんが、企業は将来を期待していて今は将来のための準備期間と考えているように私は思います。経済が良くなり波が来たらすぐに乗れるようにと、当社でも常日頃から計画をしています。きっと一年後はベトナム国内経済も回復し良くなっていると思います。

Q.Tuanさんから見た日本人の印象
日本、そして、日本人と付き合ってこれまで23年間くらいになりますが、真面目で、きちんと約束を守る、仕事をしっかりやる、という印象があります。仕事面で自分の能力の100%も150%も働くという印象です。弊社はローカル会社で日本人は数名しかいませんが、彼らが真面目に仕事をするので、ベトナム人スタッフもそれを見て、自分も頑張らなければいけないと感じていると思います。

Q.ベトナム/ベトナム人をもっと知るため、日本人へのアドバイス
私個人としてはベトナムのいいところを日本人だけではなく、世界中の人に見せたいという気持ちがあります。他のベトナム人も海外から来る人達に対してホスピタリティはあると思いますし、ベトナムは料理が美味しいですし、景色が綺麗なところがたくさんあるので、実際に来てベトナムを体験して欲しいなと思います。
ベトナム人は人と人の関係を大切にしています。例えば、職場でただ自分の仕事をするのではなく、家族や趣味について質問をしてくれるとベトナム人はとても嬉しいと感じます。それはお互いのことを知り距離が近くなるからです。仕事でもプライベートでも、気持ちが近づいてお互いのことを感じられたら長く付き合うことができると思います。

(アメリカ企業から大口受注があり、その納品で訪問した際の記念写真です)

Tuanさん取材ご協力いただき、ありがとうございました!

【インタビュアー】
パートナー兼ハノイ支店代表 嶋村 拓史(しまむら・たくじ)
連絡先:(Tel) 090-1828-660 (Mail) takuji.shimamura@hrnavi.com
コメント:ベトナムで人材採用のお手伝いをしております!人材の件でご相談ございましたらいつでもお問い合わせください。

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