Blog

2021年3月3日

嶋村チョイス!今月のKEY PERSON

氏名:Vu Thu Thuyさん
会社名:LINE TECHNOLOGY VIETNAM COMPANY LIMITED
役職: Assistant of VPoE

「嶋村チョイス!今月のKEY PERSON」第20回を始めます!
どうぞよろしくお願いします。それではThuyさん自己紹介をどうぞ!

Thuyさん:こんにちは、Thuyです。私の名前のベトナム語の意味は、Thuは「秋」、Thuyは「水」という意味なので、「秋の水=清い水」です。いつも日本人の方にはこう説明しています。名前のとおり、できるだけ清く生きていきたいと思っています。
家族は夫と、7歳と5歳の子供がいます。
出身は世界遺産のハロン湾がある、クアンニン省ハロン市です。
大学に入学した2006年にハノイに来ました。大学はベトナム国家大学ハノイ校人文社会科学大学です。大学3年生の時には、交換留学で大阪の大学へ1年間留学しました。
大学卒業後、ベトナム国家大学ハノイ校人文社会科学大学の大学院に進学し、その間東京大学の研究生として半年間の留学も経験しながら、東南アジアの文化について研究しました。大学院を卒業後は、ベトナムの政府機関で1年程働き、今後はITの時代になると思って、NTT Dataへ転職しました。NTT Dataでは3年半程働いた後、2017年8月にLINE TECHNOLOGY VIETNAMに入社し現在約3年半になります。

(LINEキャラクターと一緒に記念撮影するThuyさん)

Q.LINE TECHNOLOGY VIETNAMとの出会いはどのようなものでしたか?
NTT Dataで働いていた時、様々な仕事を任せてもらっていたので満足していました。そんな中、2017年にベトナムにLINEの開発センターができました。
LINEについては日本に留学していた2012年頃、日本人の友達と連絡をするためにLINEを使っていましたし、使われているキャラクターが可愛くて人気があり、私もすごく興味を持っていましたが、当時はLINEがベトナムに進出するとは思っていませんでした。2017年に通訳スキルが高く、同時通訳ができる人を募集しているというアプローチがあった時には、LINEという社名を聞いて今がチャンスだと思い、すぐに応募しました。
LINEへ入社後はBOD会議、内部テクニカルセミナー、トレーニングセミナー等の通訳の仕事をしました。通訳は言語だけではなく、コミュニケーションスキルや背景知識、専門用語の知識や話の流れの理解が必要です。言語の翻訳ならGoogleが人間より上手くできると思いますが、言葉だけの翻訳では正確に分かりやすく相手に伝えることはできないと思います。そのため、常に関連する知識やスキルを身に付ける努力をしています。そして、身に付けたスキルをYoutubeでシェアしたり、社内の通訳をやっている皆さんにも伝えています。
通訳の他、入社後にITの知識やエンジニアの仕事の仕方、コミュニケーションの仕方を勉強して、コミュニケーター業務も行いました。

Q.現在のお仕事内容について教えてください。
2年前からVPoE(※)の秘書をしています。仕事内容は、基本的には上司のサポートです。VPoEの業務には開発メンバーの管理やメンバーが成長するための環境づくり、日本や他の拠点からプロジェクトを獲得する等という業務があります。私はそのサポートとして獲得したプロジェクトの情報をもとに各プロジェクトリーダーとやり取りしたり、メンバーの稼働管理を行っています。また、VPoEとメンバーの皆さんを繋ぐ役目をしたり、開発チームの良い雰囲気を作るために色々な業務を行っています。
※VPoE (Vice President of Engineer)・・・エンジニアリング全体責任者のこと。

また、専門スキルについては開発者がメンバー育成をしていますが、ソフトスキルについては上司の指示によりどういったソフトスキルが足りていないかを分析、そして、情報収集を行い、集めたデータに基づいて計画を作ったり、ほかにはベンダーと直接やり取りもしています。
それから、採用につながるイベントも主催していまして、例えば、外部の技術に関するセミナーへ出展したり、社内のイベントチームと一緒に社内イベントを開催したり、新卒者を採用するために大学と連携してイベントを開催する計画等を立てています。業務を通じていろいろな経験をする機会があると感じています。

Q.入社してから大変だったこと、成長のきっかけになった出来事は何ですか?
大変だったことは3つあります。まず、LINEは従業員も多く、グローバルな会社なので、いろいろな国の人と一緒に仕事をする点です。そういった時、ベトナム人は自信がなく、恥ずかしがりな人が多いので、外国人とのミーティングでなかなか自分の意見を言えないことが多いんです。私も初めは恥ずかしくて自分の能力を発揮できませんでした。恥ずかしさを克服するのは大変でしたが、それは逆を言えば、自分を成長させるきっかけになったと思います。
2つ目は、LINEはセキュリティや個人情報にとても厳しく、入社当初は特にそのことに気を付けながら仕事をしなければいけませんでした。これまで経験したことのない運用管理のやり方で、初めはとても緊張しながら仕事をしていたのを覚えています。でも今は慣れることができました。
3つ目は、LINEは個人の自主性を重視する会社なので、自分からやることを見つけて仕事を進めなければならない点です。上からの指示を待っていると仕事がなく暇になってしまいます。暇になると仕事があまり面白くない、と感じてしまうので、その点も初めは難しかったです。それから上司にLINEでの仕事のやり方を教わり、指示を待つというより、主導的に考えて動くというLINEの仕事のやり方に慣れることができたので、今では仕事が楽に楽しくできるようになりました。自分にアイデアがあればいつでも自由に提案できるので、成長できる機会が多いと実感しています。

(社内イベントにて司会を務めるThuyさん)

(外部イベント参加時にチームメンバーと撮影した写真)

Q.働く中で嬉しかったできごとはありますか?
LINEはどこの拠点でも、その分野のトップの人材を採用するというのがグループの方針なので、優秀な人材だけを採用しています。ベトナムのIT業界では人材の競争力が高いので、優秀な人材を見つけることは大変です。見つけたとしても、オファーを出すまで、とても長い道のりです。またオファーを出す候補者は滅多にいないのですが、オファーを出した後に断られることもあります。
でも、候補者とは一度オファーを辞退した後に、友達として連絡をとることもあります。連絡を取り合うのなかで、私が仕事のことを話すことがあって、その友達は、その話を聞いて本当に良い会社なんだと思ってくれて、内定を受諾してくれたことがあります。それは私にとって本当に嬉しい出来事でした。

Q.Thuyさんの今後の目標(夢)を教えてください。
長期の目標と短期の目標があります。
まず、長期の目標は、起業することです。どんな会社かと言うと、人材紹介会社か、ソフトスキルを教育する人材育成の会社です。今まで政府機関や通訳の仕事をしてきましたが、人間に関わる仕事が自分に向いていると思うのでその分野で起業できたらいいなと考えています。
短期の目標は、アシタントの経験から会社全体のビジネスを把握していることを生かして、採用の立場からLINEに価値をもたらすことができるようになることです。
また、AIの活用が盛んになりつつありますが、私は人間がAIに負けない、人間にしかできないことがあると思っています。企業と企業との競争は人材にあると思いますので、人材管理に関する知識や自分で勉強して得た知識を活かして、LINEが成長できるよう貢献したいと思っています。

Q.IT業界での人材採用は難しいと思うんですが、その中でも取り組んでいる面白いトピックはありますか?
既に報道されているのでご存知だと思いますが、LINEはヤフーと経営統合します。日本で最もユーザー数が多い2社が合併することで、これからたくさんの新しく、ユーザーに便利なサービスを開発することになります。LINEはチャットアプリで有名ですが、デリバリーアプリやショッピングの支払いアプリ、ゲームやミュージック、漫画など、ユーザーの24時間に必要な便利なサービスを用意しています。ベトナムではまだ広く知られていないので、ベトナムの皆さんの日常生活に便利なサービスを広く展開できたらいいなと考えています。

Q.ベトナム人から見た日本人の印象とはどんなものでしょう?
真面目で仕事の仕方がしっかりしていると感じます。ただ、決断は遅いという印象があります。でも、決断したら最後まで一生懸命やる、というところが感心している点です。

Q.ベトナム/ベトナム人をもっと知るため、日本人へのアドバイスをいただけますか?
私は日本人がとても好きなので、こうしたほうがいい、というアドバイスはないのですが、柔軟性を持てばもっと物事やビジネスが上手くいくんじゃないか、と思います。日本人は必ずルールを守りますが、ベトナム人は相手との関係性や感情で行動したり、ルール抜きで動くことがよくあります。ベトナム人が一度ルールを守らない行動を取ると、日本人はその人に対して、もう信用できないと思ってしまったり、二度とチャンスを与えない、というふうになってしまいがちです。日本人は人や物事に対してある印象を持つと、ずっとその印象を持ち続けてしまうところがあるように思います。私は日本人と接することが多く、日本人が好む行動を知っているので、初めてベトナムに来た日本人に対しては日本人の好む行動を意識しながら接するようにします。中にはベトナムの文化を理解している日本人もいるので、そういう方々に対しては意識して接する必要がないので、とても気さくに接することができます。
そのため、互いの文化を理解してもう少し柔軟に考えるようにすれば、ベトナム人と上手くいくのではと思います。

(LINEが開催したイベントで優秀なエンジニアたちと一緒に撮った写真です)

Thuyさん取材ご協力いただき、ありがとうございました!

―――――
インタビュアー
ハノイ支店マネジャー 嶋村 拓史(しまむら・たくじ)
E-mail: takuji.shimamura@hrnavi.com
Tel: 090 1828 660

コメント:ベトナムで人材採用のお手伝いをしております!人材の件でご相談ございましたらいつでもお問い合わせください。

嶋村チョイス!今月のKEY PERSON

輝く日本人