2017年8月16日
日本人管理者として、ベトナム人スタッフとうまくコミュニケーションするのは日々の悩みの種だと思います。言葉の壁もありながら、習慣、考えの違いなどでどうしても深いコミュニケーションができないことが原因です。男性の多い職場ですと、いわゆる「飲みにケーション」でカバーすることできるのですが、若い女性の多いサービス業の職場ではなかなかコミュニケーションがとりづらい。しかも、「報連相」が弱いと言われているベトナム人スタッフですので、放っておくとまったく何も言ってこない。社内でベトナム人対日本人で見えない隔たりができてしまうわけです。
よくある例えで、角にごみが落ちている面接控室に応募者を通すと、中国人の応募者はポケットからごみを出して、そこに捨てる。タイ人はゴミがあることにすら気づいていない。ベトナム人は気づいたが何もしない。日本人は気づいて、片付ける。例え話ですが、よく当たっています。そう、ベトナム人は気づいてはいるが、行動に移さないのです。弊社の日本人社員がたまに出張で事務所にきても、ベトナム人同僚は最低限挨拶はするものの、それ以上声をかけることもせず、ましてやランチなどに誘わないことは、いわゆる「気づくがアクションしない」ことが起因だと考えれます。
なぜ、アクションをとらないかと考える時、何点かあげられます。
つまり、解決策としてはこちら(日本人、管理者)から声をかけるべきでしょう。
しかし、仕事しているときに、特定のスタッフにだけ話すわけにもいかないし、いきなり声をかけられてもスタッフがびっくりする。それから、なかなか会話が続かない。気軽に話せて、相手の自由(気)を奪わず、他のスタッフに迷惑かけないコミュニケーションツールと考えるときに、SMSやSNSのチャットが思い浮かべます。ちょっとしたことでも話せて、気楽、プライベート感満載というのが特徴です。
弊社では全社で業務用チャットワークの導入をきっかけに、上司と部下、日本人とベトナム人の間で気軽にチャットができるようになりました。これまで、朝礼や部の会議でしか会話ができなかったスタッフに対しても、話せるようになりました。「元気?、昨日、良かったね。今日も頑張ろう」と一言をかけてあげると喜んで、返信してくれます。何か浮かない顔しているときにはちょっとチャットから始め、しばらくして、会議室で話そうかと誘ったら、非常にスムーズに会話を進められるようになります。それから、今どきの若い社員が好きな絵文字や文字入りの絵を添えてあげるとかなり喜んでくれます。次第に職場も明るくなり、みんなが生き生きしています。
とはいうものの、Face To Faceを超えるコミュニケーションツールはありません。チャットはあくまでも導入ツールだけにして、会話の重要な部分に入ったら、対面会話に移ることに気を付けるべきです。さもなければ、スタッフ同士で延々とプライベートチャットが続いて仕事に身が入らず、パフォーマンスが落ちてしまう可能性も否定できません。あわせて行動管理あるいは結果にコミットするような人事制度の導入もお勧めです。
次号では口でお金を否定したがるベトナム人について、考えたいと思います。
→ 人材から人財への道のり::VOL 1:: ベトナム人スタッフはなぜ、相談しないのか?―――――
国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。
氏名:須藤 藍実さん
会社名:Lotte Legend Hotel Saigon
役職:Assistant Sales Manager
山田:本日はどうぞよろしくお願いします。では簡単に自己紹介をお願いします。
須藤さん:ロッテレジェンドホテルで日系のコーポレートを中心に営業をしております。須藤藍実と申します。よろしくお願い致します。
山田:よろしくお願い致します。須藤さんはどのようなきっかけでベトナムに来られたんですか?
須藤さん:学生時代はホテル系であったりエアラインのホスピタリティの専門学校に通っていましてインターンシップでニャチャンのホテルで働いたのがきっかけです。もともと海外で働きたいと考えていて、専門学校在学中にはオーストラリアとロンドンにも1年ずつインターンシップして、それで最後の年にまたベトナムに来ました。
山田:ほとんど海外ですね!
須藤さん:そうですね。うちの専門学校には海外志向の生徒が多くて、先輩も海外に出て働いている方が多いんです。ベトナムにも何人か先輩がすでにいたので、ベースがあったのとヨーロッパか東南アジアで働くなら絶対東南アジアで働きたいと思ってました。
山田:なぜ東南アジアなんですか?
須藤さん:まず安全面。ヨーロッパより東南アジアは安全だと思いますし、日本との時差もあまりないので。その東南アジアの中でも、私のような若い人が活躍できるところはどこだろうと考えたときに、勢いのあるベトナムだと思いました。ただ1つ間違いがありまして、最初にニャチャンに行ってしまったので、日本人が5人くらいしか住んでなく、私が思っていたホーチミンのような勢いや活気があって明るいベトナムと違ってました。お客さんもロシア人、中国人、ベトナム人が多い中でベトナム語も話すことができない私が入って何ができるんだっていう状態でした。
山田:そこからどのようにしてホーチミンのこのロッテレジェンドホテルで働くことになったんですか?
須藤さん:私がニャチャンにいたときロッテレジェンドホテルの当時の総支配人が遊びにきてまして、日本人が来ることがとても珍しいことでしたので、とびきりのおもてなしをしていましたら、個人的に仲良くしてくれまして、それがきっかけでロッテレジェンドホテルを志望し入社に至りました。そこから日本にも帰らずホーチミンに直接来ましたね。卒業式の日だけ日本に帰りました笑
山田:なるほどですねー!そういう出会いってあるんですね!営業はどのようなことをされるんですか?
須藤さん:営業は基本的には日系企業の出張者の宿泊者を増やすことがメインの仕事となりますが、他にもセミナーやバンケット(宴会)やミーティング、アニバーサリーの日系担当は私になりますし、レストランも、もし日本のお客様が利用したいということであれば、私がコミュニケーションをとってセッティングします。ですので日系のクライアントに関しては、ホテルでできるほぼすべてのことに対して責任をもって担当しております。
山田:そんな中で一番困難だったことはありますか?
須藤さん:私は特に経験がなくまだ若くて女性なので社内外で信用を得るのが難しかったです。信用してもらえないとホテルというのは難しいので入社1年目は信用構築に関して悩みました。営業というのは法人のところへ行き当ホテルを利用して頂くことが仕事となるので、信用を得ることが一番重要なんですね。
山田:その信用を構築するために工夫したことはありますか?
須藤さん:まず日本の旅館を目指そうと思いました。信用って何かとひたすら考えたときに、日本の旅館は最初の「ウェルカム」から食事やお休みの準備であったり女将さんが全部やってくれるじゃないですか?そして最後に気持ち良く「ありがとうございました」と言って終わる。だから0から10まできちんと自分の目で見ることを意識しました。例えばそれがよりハイブランドのホテルだとしても日本人はいないところも多いだろうし、一番最初の「ウェルカム」から最後の「ありがとうございました」まで見れないと思うんですね。なのでそこで差をつけてお客様から信用を勝ち取ろうと努力しました。
山田:なるほどですね!こちらではベトナム人と基本的に働いていると思うんですが、何かギャップはありましたか?
須藤さん:やはり最初の1年は自分が思っている当たり前が当たり前じゃないということが多くありました。例えばベトナム人スタッフの中にはお客さんと話している時に、お客さんに指をさして話をしたりですとか、おそらくベトナム人スタッフは悪気はないんでしょうけど、ホスピタリティとしては完全にアウトなので。
他にはあるお客様が1つのお部屋を指定されているのに、おせっかいなのか、その部屋ではなく勝手に1つランクの高い部屋にアップグレードしたり、勝手に良かれと思ってオーダーに沿わないことをしてしまうことが多いです。なので一つ一つ目で確認しないと大変だと思います。
山田:そんな困難がありながらもベトナム人とうまく働くポイントはなんでしょう?
須藤さん:まずはパーソナルに仲良くなることですね。お菓子を分け合うとか笑 みんなお菓子大好きで、お菓子をシェアするととても喜びますし、そこからたわいもない話をして関係を気づくことは意外と重要なんですね。そこから「仕事」ですね。仕事の頼みもとてもしやすくなります。賄賂ではないですが、それが例えばハイチュウ一つでも結構変わります。
山田:へー!なるほどですね!うちも女性社員ばかりなので勉強になります!
須藤さん:そうですよ、山田さん。ハイチュウ1個の力は強いですよ。なのでパーソナルに仲良くなれずに、社交的じゃないとかフレンドリーじゃないとか思われてしまうと、仕事もとてもやりにくくなりますね。
山田:私も実践してみます!須藤さんの今後のキャリアビジョンはなんですか?
須藤さん:私がホーチミンに来た時にまずは「セールスエグゼクティブ」というポジションから始まるのですが、3年以内に1つ上のランクの「アシスタントセールスマネジャー」になることが目標だったんですね、それが今年の4月から「アシスタントセールスマネジャー」なることができまして、今は「アシスタントマネジャー」としての職を務めあげて、次は「セールスマンジャー」になることが目標ですね。日系担当は私ともう一人しか担当はいないので今は日系のお客様に関しては私が全責任をもってますので、やり遂げるということが重要だと思ってます。
そんな中でもベトナムは年功序列でしたり、男性の方が大きく見られたりする中で努力することで「アシスタントセールスマンジャー」になれたので、もう少し「セールスマネジャー」を目指して頑張りますが、ホテルの転職事情は1~3年ごとに転職するのはよくあることで、よりハイブランドのホテルへの転職も視野に入れています。
→ 輝く日本人::VOL 1::青葉セミナー 久保社長今回は私の家の周りの人についてお話します。
私の住んでいるアパートの近くはちょっと危ないところにあります。
住み始めてしばらく経ってから知ったのですが、家から30秒くらいの橋には毎晩、身売りの女性が立っています。毎日同じ人がセクシー(?)な服を着て立っています。近くにはたくさんのNha nghiやカラオケ、VIP Massageという怪しいものがたくさんあります。笑 私はホーチミンに転勤になる前からも、このアパートに住んでおり、ハノイに戻ってからもここに住み続けています。ハノイに戻った際に、もっと新しくで良さそうなアパートもあったんですが、結局このアパートに戻ってきてしまいました。
戻ってきた理由は「人」でした。4か月ぶりにそのアパートに行くと、セキュリティーのおじちゃんが喜び、またここに住むのか!と嬉しそうでした。私は念のため下見に来たつもりが、彼らに会ったらやっぱりここにしようと決めていました。
セキュリティーのおじちゃんは二人いるんですが、一人のおじちゃんとは特に仲良しで、二人でビールを飲んだりします。また、私がライチが好きだというと、朝市で買ったライチを朝の7時に部屋まで届けてくれます。朝の早くからピンポンうるさいなと思うと、笑顔のおじちゃんがドアの前で嬉しそうに立っていました。
他にもXe omのおじちゃんたちとも仲が良くて、価格交渉をしなくてもどこでもリーズナブルな価格で行ってくれるので本当に便利です。たまに路上のお茶へ誘われ、一緒にお茶を飲んだりします。
前には、仲良しのTaxiに乗った時、50万ドン札しかなく、おじちゃんもお釣りがなかったのですが、今日はいらないよ!と言ってくれたり、本当に優しい人たちばかりです。 この間、停電が起こり、部屋のコンセントが爆発して、引っ越そうかと思いましたが、なんだかんだでまだ住んでいます。
仕事を選ぶポイントも人が大切だと思いますし、何事も人は人で決めて、動かされるものだなとつくづく思いました。
→ あーちゃんのベトナムワーク&ライフ::VOL 1::VIET JOさんにインタビューして頂きました!―――――
プロフィール
吉田綾華(よしだ あやか)
E-mail: ayaka.yoshida@hrnavi.com
Tel: 0968 096 784
1987年生まれ、石川県出身。
人の役に立ちたい!という想いから、東南アジアと人材の軸で仕事を探し、2013年からアイグローカル・リソースに入社。自らの海外就職の経験とホーチミン、ハノイの両拠点での勤務経験を生かし、お客様と登録者の懸け橋となりアドバイスを行っている。
【日本人紹介】
日本人求職者リストは下記のリンクでご覧ください。
https://goo.gl/suDDfi
【管理職ベトナム人紹介】
管理職採用でお困りのお客様へ。中々、優秀な管理職人材が採用できずに困っていませんか。
優秀な管理職を採用することにより、中間層を拡充し、ローカライズを図りましょう。
また、彼らを挟むことにより、コミュニケーションがスムーズになります。
選び抜かれた登録者に対して、企業側から攻めの採用をすることができます!
詳しい内容は下記のリンクからご覧ください。
https://goo.gl/jLyUHs